2/09/2013

悪手の心理

皆さんは、後から振り返って、何でこんな手を打ってしまったのか理解できないことはありませんか?私はしょっちゅうです(笑)。今回は、そんな悪手を打ってしまった時、自分が何を考えていたかを書いてみます。

KGS第121局(対4k、2子局、黒)

上辺で無理をして左上を大きく取られてしまったが(強い人ならまだ手があるのか?)、その他では相手が無理してくるところを上手く攻めながら得をして優勢。


この局面で、普通に何も考えなければ、100人が100人K3押さえを打つだろう。私も第一感ではその手が思い浮かんだ(当たり前か)。が、K4の白2子を捕まえられなかった時にL7の黒2子が危ないのではないかと思ってしまった。手を読むことなく、不思議とそう思ってしまったのだ。それで、やっぱり全く手を読むことなく、L5切りと打ってL7の黒2子との連絡を選んでしまった。

それほど考えなくても、黒K3押さえで中の白4子は相当形が悪い。もしあがくなら、次に白K6トビくらいだろうが、黒からいつでもL6アテで白2子を取れるので、黒は強く白石をいじめることができる。やはり黒はK3押さえの一手だった。

悪手を打つのは、このように、手を読むことなく何となく思いついた事を実行してしまった時に多い気がする。毎手番5手読むというルールを自分に課してからはだいぶ少なくなったが、今でも時々魔が差したように思考停止することがある。

実戦はこの後白K3と出られて形勢が急接近した。が、そこで今度は相手に魔が差した。


 この局面、白H4切りとシチョウに取って悪いわけがない。私はその後どうしたら挽回できるかと考えていた。ところが相手は・・・、


白1と下がってきたので黒2と押さえ、白3とアテた手が、今度はシチョウにならない。結局、このK3の白の大石を取ったところで白が投了した。


棋譜再生


白1は悪手だが、敗着は白3だろう。白3で4からアテていればこの白の大石が連絡できるので、勝負はこれからだった。

白3は直前までシチョウで取れていたはずの手なので、うっかり勘違いしたのだろう。

問題は白1だが、 たぶんH3の黒2子を取れると思って欲張ったのではないだろうか。手拍子で打ったら、いかにも私もやってしまいそうな手だ。って言うか、よくやってしまう。

第1感でこういった手が浮かばないようになれば、私ももうちょっと強くなれるだろう。え?それは才能だから無理?う~ん、やっぱりそうなのかなぁ。

3 comments:

  1. 面白いですね!悪手の心理。

    後悔したくない碁を打つように意識してますが、
    いつもこの悪手の心理がどこかで働いている気がします(笑

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  2. はじめまして.

    僕は打った直後に後悔することが多いです.
    何かに取り憑かれていたとしか思えないような悪手を連発してしまいますが,僕の場合は単に自分が下手くそなだけみたいですw
    毎手番5手読むという心がけはすばらしいと思います.マネさせてください.

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  3. SHOGOさん、いつもコメントありがとうございます。inayukiさん、はじめまして。
    悪手はどうしても打ってしまいますよね。それでも、常に5手読むようにしてからはだいぶ減りました。でも、今度は時間が苦しくなってしまいましたが(笑)。

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